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一席 |
ひぐらしの鳴き止み森の深くなる |
千田加代子 |
一席 |
前略と書きたるあとの夜長かな |
伊藤 理 |
三席 |
なぜ嘘は赤色なのかカンナ咲く |
中村呆信 |
特選 |
衣擦れが追ひ抜いてゆく白日傘 |
高橋 均 |
特選 |
軒下の干菜に遥か富士の山 |
佐貫千舟 |
特選 |
菜を干して少し故郷に近づきぬ |
大橋一火 |
特選 |
天の名で何を騙すやてんと虫 |
栗原修一 |
特選 |
鼓笛の音整ひしとき運動会 |
川上登美枝 |
特選 |
ふうふうと風呂吹大根風呂あがり |
柴田弘道 |
特選 |
篝火の果てて舟辺の夜の秋 |
丸本 武 |
特選 |
宿坊に二・三の干菜懸けてあり |
児玉竹子 |
特選 |
葉の上に小さきブローチ天道虫 |
宮島久代 |
特選 |
友は皆一騎当千葉鶏頭 |
原 健一 |
特選 |
澄む秋の光をまとう聖母像 |
中村克久 |
特選 |
山深き宿の持て成す干菜風呂 |
内野和也 |
佳作 |
ここちよき目覚めの床に秋の風 |
佐竹茂市郎 |
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