猿若句会通信 
 2014年猿若句会下半期特選句集

 一席  ひぐらしの鳴き止み森の深くなる 千田加代子
 一席  前略と書きたるあとの夜長かな 伊藤 理
 三席  なぜ嘘は赤色なのかカンナ咲く 中村呆信
 特選  衣擦れが追ひ抜いてゆく白日傘 高橋 均
 特選  軒下の干菜に遥か富士の山 佐貫千舟
 特選  菜を干して少し故郷に近づきぬ 大橋一火
 特選  天の名で何を騙すやてんと虫 栗原修一
 特選  鼓笛の音整ひしとき運動会 川上登美枝
 特選  ふうふうと風呂吹大根風呂あがり 柴田弘道
 特選  篝火の果てて舟辺の夜の秋 丸本 武
 特選  宿坊に二・三の干菜懸けてあり 児玉竹子
 特選  葉の上に小さきブローチ天道虫 宮島久代
 特選  友は皆一騎当千葉鶏頭 原 健一
 特選  澄む秋の光をまとう聖母像 中村克久
 特選  山深き宿の持て成す干菜風呂 内野和也
 佳作  ここちよき目覚めの床に秋の風 佐竹茂市郎
inserted by FC2 system